ほんの虫
読んだ本をきままに紹介します。

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「河童」他二編 芥川龍之介

「河童」はどういう話か全く知らなくて、
ある河童のお話かと思ったら、河童の国のお話でした。

偶然見かけた河童を追いかけていたら、アリスちゃんみたいに
穴に落ちて気がついたら河童の国だったというもの。
この河童の国、おとぎ話とは程遠く、かなりブラックです。
文明化した社会なのですが、人間の社会とはいろいろ違ってます。
お産の時にお腹の子供に生まれたいか親が聞くことになっていて、
子供は返事をします。親の都合だけで生まれないようになっています。
最もブラックなのが、ナチも真っ青な職工屠殺法。
工場の生産性が高いため、余った職工を殺して肉を食料にするというもの。
そして、それを合理的で当然と思っている社会なのです。

最後には逃げ出したちょっと憂鬱になる河童の国ですが、
河童くんたちは”僕”が人間の世界に戻っても
ちゃんと会いにきてくれる気のいい奴等でした。

教養を身につけようと選んだ本ですが、予想以上に河童はインテリで
なかなか大変。
ビスマルク、ゲーテ、ニイチェ、トルストイ、国木田独歩、ボオドレエル等々。

河童の哲学者マッグの書いた「阿呆の言葉」より

 我々は人間よりも不幸である。人間は河童ほど進化していない。

いかにも。

河童 他二篇 (岩波文庫)河童 他二篇 (岩波文庫)
(2003/10/17)
芥川 竜之介

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